失敗したら、小石をポッケに入れよう。~財布を失くしました【2】



キラキラ光る大阪湾を望むIGTクリニックより
田中 一です。

前回、「日常を丁寧に生きると、賢くなる」とお話ししました。
特に、失敗をとことん味わうこと。
なにか失敗したら、ポケットに小石を入れておき、事あるごとにちらっと触れるのがお勧めです。
これが、"復習"です。

ただ、"復習"ができるあなたになるには、条件があります。
それは、"現実を、事柄を、そのまま見ればいい"「現実を、そのままみる」ことです。
「財布、失くしたなあ…」こんな感じです。
もちろん失敗なのでうれしい事ではありません。
ただ、"よいも悪いもない、単なる出来事"に"しておく"のです。
自分のオリジナルな解釈を、できるだけ、はさまない。ひとつだけの意義付けをしない。意味を固定、限定しない。
特に「めっちゃブルーになるわ。最悪・・・なんでやねん・・・いんけつ・・・」と、思わないことです。

「財布、失くしたなあ・・・(口はポカンと開いている)」くらいにしておくと、不思議に、"身に馴染む"のです。
「やってしまったことは、しゃあないなぁ」って感じです。
例えば財布を落としたことを、「悪いことっ!あほっ!償えっ!ぼけっ!」ととらえてしまうと、極端な話、自分が嫌いになってしまいます。(親御さん、叱る必要はないのですよ)

大切なことは、言い古された言葉ですが、
「起こったことを、いいほうにとらえる」
「失敗から、学ぶ」
そんな事ですよね。

そして、これができる脳を、私は「たくましい」と思うのです。
そのためには、"解釈を入れないこと"が大事なのです。
さらに言えば、「テンションが下がっている私が、今この時点で考えていることは、たぶん間違いだろうなあ」くらいに思っておくといいですよ。
これがつまり、最高の智、"謙虚さ"です。

謙虚な人ほど賢くなる、脳の仕組み

このように、失敗をそのままとらえることでわが身に馴染めば、もう復習は出来たも同然です。
「教訓をモノにできた」と言っても過言ではありません。
「復習器に、失敗経験をセットした。後は時間が解決する」みたいな感じです。

「トースターにパンをセットすると、いつの間にか焼きあがってたなあ」
あなたは、いつの間にか解決法を自然に身に着けています。
つまり、賢くなっています。
この時、トースターじゃなかった…、脳では、"失敗した私"が、あれをちょいちょい思い出し、当分、気を付けるだけで、意識せずとも、「再度、同じ失敗をしないようにするためには、どうすべきか」を、考えているからです。
ポケットに手を入れるたびに、失敗を思い出して、「ああ、気をつけなきゃ」と思うだけで充分なのです。

脳は、便利にできていますので、うまく使ってやってください。
基本的には「任せる」のがおすすめです。あなたの脳に。

この"その後折に触れ意識せずとも、考えている"ことが、脳の使い方として、"きわめて効率が良い"のです。
"集中して考える"ことは、実は視野狭窄に陥りやすく、かつ脳の消費エネルギーが莫大になる、オーバーヒートになりやすいうえに、燃費が悪い脳の使い方です。
あまり賢い使い方とは言えません。
自動車を、買い替えできず、生涯たった一台しか持てないとしたら、
その車でサーキットに出ようとは、あなたは思わないでしょう?

実は、「集中して考える」ことは、他人、周囲から与えられる課題の解決には、向きません。
"広く浅く、総合的に、何でもいいから失敗を避けるのに役立つ、あらゆる手立てを思いついて、統合する"といった脳の使い方とは、まったく異なるのです。
数学の大発見などは、実は、"気になっているまま、何か別のことをしているときに、パッと閃いたりしたものだ"という逸話を、あなたも耳にしたことがおありでしょう。

"ふわっと課題にしておいて、あとは脳にお任せ"ができる人は、立派な人になります。
本当の意味で、賢い人です。
「生きていけばいくほど、賢くなっていける」のです。
せっぱつまらない。焦らない。でも忘れているわけではない。
これが、「丁寧に生きる」ことです。
「失敗を味わい、モノにする」ことです。
最も大切なことが、スタートです。
失敗をそのまますぐに、トースターにセットする
つまり"ちゃんと課題にする"ことです。
小石をポッケに入れて、持ち歩くのです。
ここで、"目を背ける・なかったことにする"と、過ちを繰り返します。
"学習能力がない、○○"になっちゃうのです。
そして、この脳の使い方が、あなたの人生を圧倒的に有利にしてくれる最大のポイントは、"寝ている間に処理が進む"ことです。
「そら、かしこなるわ」でしょう?


それ解けなきゃ、死ぬか?

"すぐ解けなきゃ死んでしまう"問題以外は、たいていこれで片が付きます。
そして、すぐ解けなきゃ死んでしまうような問題は、そうそう身に降りかかるものではありません。


ハイパー社会人は、失敗と戯れるのが好き。

"失敗したことを、ふわっと課題にして、多面的に脳に考えさせておく方法"は、別の表現をすると、"1回の失敗から何通りも広く深く学ぶ事"になります。
これが、社会人として、決定的に有利な脳の使い方です。
つまり、他人様との共通する考えを得やすくなるのです。
"人の考え、皆違う"ので、ある問題に対し、多面的に"いじり回して"いると、他の誰かが思っていたことと、重なることが増えます。
「そうそう、それ、私も思ってた」って感じです。
"人の考え、皆違う"大人の世界で、共通の考えを持った人と出会うと、幸せを実感できます。
「公の視点」をもって、判断できるようになっていくことが、これからの日本人の課題である
あるセミナーで聞いたお話です。
その通りだと思います。
「公の視点」とは、結局は"己の想像力の幅広さ"、"制限のなさ"から始まります。
"思い込み、頑固さ"の逆です。
その意味では、妄想癖のある人は、「公の視点」に至りやすいかもしれない、と思います。

想像力の幅広さ。
それを得る最短コースは…普段から、身の回りのことについて「ああそうか」と言い慣れることです。
現実の受容。あるがまま。
その逆は「なんでやろ」「そんなはずはない」です。
これが口癖になっているあなた、ヤバいですよ。
"病気になったら、治らない人"です。
今のうちに修正なさってください。
修正法は、これです。「まあええかぁ、しゃあないなぁ」

現実をそのまま見ることは、”復習でき、日常で賢くなっていける”必要条件ではありますが、現実では、これだけでは足りないことに、あなたはお気づきでしょう。

うれしくない現実を、そのまま受け入れたときに起こる悲しみ、辛さ、迷い悩み…これに対する手当てが、必要です。
「まあええかぁ」「しゃあないなぁ」これを身に馴染ませることです。
これを口にし、失敗の後、なるべく早く「マイナスを最小化する」ことが必要です。
神道では、これを「祓い」と呼びます。
これで、負の感情を最小化するのです。
これで、たくましい脳が手に入りました。
ああよかった。

コメント

  1. 突然のご連絡、失礼致します。
    私はがん免疫療法の情報を紹介するサイトを運営しております、天野と申します。
    本日は田中先生のブログ記事を拝見し、ぜひ当サイトで紹介させて頂きたく、ご連絡致しました。
    当サイトでは、がん患者さんの為の免疫療法に関する情報を広く収集し、可能な限り公正な視点で紹介しております。
    その中で、田中先生のブログを当サイトの読者に紹介させて頂き、併せて、きのくに漢方クリニックについても、和歌山で免疫療法に取り組まれているクリニックとして紹介させて頂きたいと考えております。
    先生の知見やお人柄、クリニック情報を多くの方に届けるためにご協力頂ければ幸いです。
    なお、広告掲載などではありませんので、掲載料を頂くことはございません。
    何か疑問点・ご不明点などございましたら、私宛にご連絡頂けますでしょうか。
    勝手なお願いで甚だ恐縮ではございますが、ご検討のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

    返信削除
  2. 先生元気だろうと思って

    返信削除
  3. おとんを助けて下さい

    返信削除
  4. きのくに漢方クリニックにメール送りました

    返信削除
  5. 田中一先生に総合失調症なんでお世話になっていいですか?

    返信削除
  6. 田中一先生ありがとうございます。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

失敗と戯れる~財布を失くしました【1】

致命的な欠点は、たった一つ。